現役大家が経験した家賃滞納から起こる2つのシナリオ(夜逃げ・居座り)

賃貸経営をする上で、避けて通れないトラブルが家賃滞納です。

家賃滞納は金額の大小に関わらず、発生した瞬間、早急に対応しなければ最悪の展開が待っている可能性があります。

私自身、現在関東地方を中心に戸建賃貸を運営する中で、家賃滞納後の展開はほぼ2つのシナリオに集約されると実感しています。

本記事では、現役大家として実際に体験した家賃滞納後に起こった

  • 家賃滞納 → 夜逃げ
  • 家賃滞納 → 居座り(最終的に訴訟)

この2つのシナリオに対して、実際に何が起こるのか、また大家としてどのような対処が必要なのか、詳しく解説します。

この記事を書いているのは、DIYリフォームをしながら「好きな時に、好きな場所で、好きなことをしながら生活をする」という目標に向かって日々DIYをしている「トリノベ」管理人の【トリさん】です!よろしくお願いします。

目次

家賃滞納後に起こる2つのシナリオ

私が経験した家賃滞納では、その後2つのパターンがありました。

  • 家賃滞納 → 夜逃げ
  • 家賃滞納 → 居座り(最終的に訴訟)

私自身、どちらも経験しましたが、どちらの場合も大家として金銭的にも精神的にもダメージをくらいます。

保証会社に入っていれば対応してもらえる

家賃滞納、夜逃げ、訴訟といったトラブルに大家自身で対応するのはとても大変です。

そのため、入居時には保証会社を通すことを強くおすすめします。

私自身、どちらのケースも保証会社に対応してもらったため、入居者への対応や手続きなどの大部分を代行してもらいました。

滞納された家賃や、訴訟でかかった費用、退去時の原状回復費用の一部も保証会社に負担してもらえたのは非常に助かりました。

保証会社に入っていても損失は起こる

ただし、保証会社に入っていたからといって、全く損失がなかったわけではありません。

保証会社の保証内容にもよりますが、今回のケースでは退去時に支払われる金額は「賃料の2ヶ月分まで」でした。しかも、内容は現状回復費用に限るということで、短期違約金などは対象外。

また、保証が打ち切られる日は「明け渡しを行った日」になります。 通常の退去時は1ヶ月前に連絡が入り、その期間に次の募集をかけたり修繕の手配をしたりできます。

一方、強制的な明け渡し日が決定するタイミングは状況によりますが、私のケースでは「3日後に保証打ち切り」という急な通告でした。この間の空白期間は、大家の持ち出し(損失)になります。

シナリオ① 家賃滞納 → 夜逃げ

これは家賃滞納後、連絡が取れなくなり、物件に戻ってくる様子もないケースです。 まず、明らかな夜逃げであっても、室内に無断で入ることはできません。必ず以下の手続きを踏んでから進めてください。

夜逃げ確認時にやるべきこと
  • 連絡履歴を保存(電話・SMS・LINE等): 音信不通であることを客観的に証明する
  • 内容証明郵便で支払請求・契約解除通知: 「宛先不明」で戻ってくることも多いが、プロセスとして必要
  • 管理会社または第三者立会いで室内確認: 安否確認として警察官が同行する場合もある
  • 写真・動画で室内を記録: その時点の室内の状況を証拠として残す

夜逃げの場合、この時点で「残置物があるか・ないか」で対応が180度変わります。

夜逃げ(1) 残置物が「ない」場合

残置物がない夜逃げであれば、受けるダメージは比較的小さいです。(残置物がある場合はめちゃくちゃ大変)

私が経験したケースの1つは、この「残置物がない夜逃げ」でした。

どこまでが残置物なのか

夜逃げの場合、すべての荷物が綺麗になくなっていることは稀です。

ここでいう「残置物がない状態」とは、家具・家電・衣類などがなく、明らかに寝泊まりできる状態ではない場合を指します。

トイレットペーパーや洗剤などの消耗品、ゴミ袋や郵便物が多少残っていても大きな問題にはなりにくいですが、それでも勝手に処分するのはNGです(自力救済にあたります)。

電気・水道の使用履歴がほぼない状態であれば、生活拠点として完全に放棄されていると判断しやすくなります。

残置物がない夜逃げはどう対処する?

残置物がない場合、事実上の退去(明け渡し完了)と扱われるケースが多いです。

そのため、訴訟まで進まずに処理できる可能性が高くなります。

ただし、大家の独断で判断するのは危険です。

必ず証拠を残し、以下のステップを踏む必要があります。 ※保証会社に入っている場合、これらの手続きを代行してくれます。

夜逃げ確認時にやるべきこと
  • 連絡履歴を保存(電話・SMS・LINE等): 音信不通であることを客観的に証明する
  • 内容証明郵便で支払請求・契約解除通知: 「宛先不明」で戻ってくることも多いが、プロセスとして必要
  • 管理会社または第三者立会いで室内確認: 安否確認として警察官が同行する場合もある
  • 写真・動画で室内を記録: その時点の室内の状況を証拠として残す

ここまでの手続きを確実に踏んでおけば、「任意明け渡し」として処理を進めることも可能です。

任意明け渡しとして処理する際の注意点

室内に残置物がなく、任意明け渡しとして処理する場合でも、残っているゴミなどは勝手に処分しない方が賢明です。

万が一、入居者が戻ってきて「ゴミではなく大切なものだった」と主張してきた場合、損害賠償を請求されるリスクがあるからです。

夜逃げで残された荷物の処理
  • 触らない・捨てない
  • 写真・動画撮影
  • 内容証明で連絡
  • 一定期間待つ

この流れが大事です。ちなみに私のケースでは、残っていたものはすべて保証会社の方が保管し、何かあれば対応してくれるということでした。

夜逃げ(2) 残置物が「ある」場合

繰り返しになりますが、家賃滞納をしていて音信不通で夜逃げ同然であっても、室内に勝手に入ることや荷物を処分することはできません(自力救済の禁止)。

室内に残置物があり、保証会社が慎重な判断をした場合、「夜逃げなのに裁判」というパターンも存在します。

なぜわざわざ訴訟をするのか?

明らかに夜逃げをされた状態であっても訴訟を起こして、法的な処理をするケースがあります。

後々入居者が現れて「勝手に捨てた」と訴えられるリスクをゼロにするためです。

家具家電、衣類、あるいは価値がありそうな物品(高級家電、仏壇、重要書類等)が残っている場合は、任意明け渡しではなく「訴訟→強制執行」という正規のルートを取ります。

基本的な流れは以下の通りです。

訴訟→強制執行の流れ
  1. 契約解除通知: 内容証明で通告
  2. 明け渡し訴訟: 裁判所に訴状を提出
  3. 判決: 「部屋を明け渡し、滞納家賃を払え」という判決を得る
  4. 強制執行(断行): 執行官と業者が乗り込み、強制的に荷物を搬出する

この場合、夜逃げ発覚から明け渡しまで、短くても3〜4ヶ月はかかります。

保証会社がいれば、これらの手続きをすべて代行し、訴訟費用や強制執行費用(100万円以上かかる可能性あり)も負担してくれます。

シナリオ② 家賃滞納 → 居座り(最終的に訴訟)

大家にとって、夜逃げよりもはるかに精神を削られるのがこの「居座り」です。

連絡はつくが、出て行かない入居者

夜逃げ以上にタチが悪いのが「お金がない」「次が決まらない」と理由をつけて、家賃を払わずに住み続けるケースです。

居座りをされると、金銭面はもちろん、精神面でも負担が大きいです。

精神的ストレス:

自分の所有物件に、お金を払わない他人が堂々と住んでいる。このストレスは相当なものです。はっきり言って、理解できません。

物件の損耗

滞納するような状況では室内を丁寧に扱っている可能性も低く、放置すればするほど原状回復費が膨らみます。

私自身も入居後すぐに滞納され、そこから1年分も家賃を滞納された経験があります。

訴訟開始から強制執行が行われるまで、実際には約半年かかりました。

保証会社による訴訟の決断

居座りの場合、保証会社はまず督促を行いますが、応じない場合は速やかに「法的手続き」に切り替えます。

通常、3ヶ月以上滞納が続くと訴訟の準備に入ります。

保証会社としても、滞納分を大家へ保証し続ける必要があるため、被害を最小限にとどめるべく動くのは当然のことです。

訴訟から強制執行にかかる費用

居座りケースにおける「大家の損失」は凄まじいです。

大家側の損失
  • 滞納家賃: 賃料 × 滞納月数
  • 訴訟費用: 50万円〜100万円
  • 強制執行の費用: 数十万〜100万円
  • 退去後の修繕費用: ダメージによる

保証会社を通さずに強制執行まで行う場合、数百万という損失が発生することになります。

ちなみに、これらの費用は入居者に請求こそできますが、家賃滞納をしている人が払ってくれる可能性は限りなく低いです。

保証会社に入っていれば費用は保証されますが、それでも大家には以下のダメージが残ります。

室内の惨状

強制執行が必要なレベルの入居者は、部屋をゴミ屋敷化させていたり、設備を破壊していたりするリスクが非常に高いです。

長期の空室

訴訟から強制執行まで半年〜1年近くかかることも珍しくありません。

保証の上限

カバーされる期間(例:最大24ヶ月分など)を超えると大家の持ち出しになります。

夜逃げと居座り2つのシナリオを経験して分かったこと

「夜逃げ」と「居座り」どちらも大家にとっては悪夢ですが、比較すると以下のようになります。

夜逃げ居座り
残置物なしありあり
対処方法任意明け渡し訴訟・強制執行(任意明け渡し)訴訟・強制執行
解決スピード早い比較的早い(1〜2ヶ月)遅い(半年〜1年)遅い(半年〜1年)
精神的負担不安はあるが、対面はない不安はあるが、対面はない本人と対峙・交渉するストレス大
明け渡しの決め手保証会社(または裁判所)の判断裁判所の判決と強制執行裁判所の判決と強制執行
室内のダメージ中程度深刻な場合が多い深刻な場合が多い

どちらのケースでも共通して言えるのは、「個人で対応するのはほぼ不可能」だということです。

法的な手続き、業者の手配、保管場所の確保。これらを大家が一人でやろうとすれば、費用も時間も今回の数倍はかかっていたはずです。

改めて、「しっかりとした保証会社を選び、加入しておくこと」が、築古戸建経営における最大の防御壁になると確信しました。

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この記事を書いた人

セルフリノベーションで自宅を改装しながら、「好きな時に、好きな場所で、好きなことをしながら生活をする」という目標に向かって活動をしている「トリノベ」管理人の【トリさん】です!

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